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設立趣意書

不登校児童・生徒の数が13万人を越す時代となりました。
日本の子ども達は、学校での勉強(詰め込み教育)に明け暮れて、親との対話、教師との対話、さらには友人、近隣の人々との対話、世代を越えた対話がほとんどありません。
本来、教育は、わからないことを自ら学習すべきものであるのに、子ども達は教師から与えられたものを無条件に暗記するだけになっています。
現在の子どもを取り巻く環境は、生活する上で必要な事柄が、子ども達にとって生活の智恵となっていません。

人間は、脳細胞が未熟な状態で生まれてきますから、誕生後十分な人間教育がなされない場合には、外見だけが大きくなって、内面(心の発達)、脳の発達が不十分な人間となってしまいます。人は、子どもの頃に高齢者を含む異なった年齢の人々と交流することで生きる術を得ることができるのです。子どもの頃から、いろんなことを体験して子どもの脳の発達を豊かにすること、そうすることによって人は生きる力を増し、良く理性を働かすことができるようになるのです。 人が生きて行くには、社会における人との交わりが必須です。
人と交わるには、自身の真心とその真心から出る相手を思いやる気持ち、正義と信頼感を持つことが必要です。然るに、日本社会の現状は、そのようなものを持った人が少なくなっています。

昔の人(江戸?明治初期の頃まで)は、儒学(論語、大学、中庸、孟子)、特に「論語」を勉強して、自身の人間性を磨きました。
論語は「人間学」の基本ともなり得る行動実践の書物です。論語(儒学)の基本は、忠恕(自身の真心と人への思いやり)にあり、それに附随する正義と信頼に集約されます。
これらは、現在の日本に最も欠けている(殆ど失われている)ものです。
現在、社会的に求められているものは、高齢者の生きがい作り(高齢者だけでなく、子どもから大人まで「生きがい」が必要)です。いかなる人も家庭、地域、社会において「必要とされる人」となることで、「生きがい」を持つことができます。

この「必要とされること」は、子どもから高齢者まで年齢を問いません。
一方、「生涯現役」を貫く場合、職場が必要となりますが、従来の職場にしがみついて高齢者が若者の職場を奪い・脅かしてはならないことが大原則です。
高齢者の卓越した技術と智恵を生かすために、子どもあるいは若い母親・父親と高齢者の交流の場が必要であり、さらに子どもと親、高齢者が一緒になって野菜つくり、物つくり、科学的実習を通して科学的知識、生活の知恵を吸収する場が必要です。
「どんぐり塾」は、子どもから高齢者まで共に語らい、笑い、悲しみ、悩み、自身の生きがいを見い出す場です。
子どもから高齢者まで、人間性(徳)を高め、学歴、経歴、年齢を問わず、その道の先達に教えを乞い、先人の智恵と科学的知識を吸収し自ら学習する場として「どんぐり塾」を設立するものです。